『コロナワクチン』打ったら人生変わった

ワクチン打っただけなのに…右脚に麻痺が出た。これからどうやって生きて行こう…

挑戦

私には「メモを取る」癖がある。

思いついた事は付箋に書き留め、ノートにペタペタと貼っている。

 

思った事をただ書くというのは、子供の頃から続いている癖だ。

 

先日実家の倉庫で何年も前のノートを見つけた。

その1冊のノートには、高校時代の考えや思い付きがランダムに記されていた。

◎P&Dの服が欲しい

◎クッキーのレシピ

◎バイトの出勤日

アントニオ猪木の似顔絵(何故だ!?)

◎友人の誕生日

◎映画の感想とハリウッドスターの名前

当時の私の頭の中の様々が書かれていた。

ページをめくりながら、とんでもない発言を見つけ、笑った。

「やべ~な、JK」と。

 

メモは1冊のノートから付箋に変わり、カテゴリー別に移動が可能なスタイルになった。

これまでカラーペンでカテゴリー分けをしていたが、付箋自体の色を変え、付箋の色別でカテゴリーの分類をしようとそのスタイルは進化した。

が、まだ活かしきれていない。

 

このブログを書くにあたり、入院中から書いている記録やたくさんの付箋メモ、

それらを読み返しながら今日もブログを書いている。

 

という事で、ん?どういう事か分からないが…

いよいよ、ワクチン接種後に現れた、麻痺という後遺症に対する原因解明の再挑戦を始めた リ・ハビリスです!

 

 

2022年6月1日 ワクチン接種から60日目

 

総合内科のベテラン先生は内線を切り、今から脳神経内科に回ってくださいと、力強い目を向けながら私を送り出してくれた。

 

案内された脳神経内科の前にはこれまたとんでもない数の患者が順番を待っていた。

受け付けで手続きを済ませると、たった一つ空いていた椅子に座り、私も順番を待った。

 

しばらくすると「待ち時間がかなり長くなる為、先に食事に行って来てください」と言われ、病院の隣にあるカフェに入った。

席に着くや否や、私は我慢出来ずに夫に向かって、マシンガントークを繰り広げた。

「ベテラン先生、孤島の名医みたいな雰囲気!」

「ほら、俳優の…劇団四季出身の…篠原涼子の旦那さん、あの人に似てる」

「たまに関西弁が出ると思ったら京大出身だって!」

「先に行った総合病院とは比べ物にならない」

「ワクチンの副反応って事を、頭ごなしに否定しなかった!」

「今までのドクター達とは全然違うね」

「すごく丁寧で真摯な振る舞いに感動した!」

ハイテンションで矢継ぎ早に喋る私に、夫は絶妙なタイミングの相槌を入れながら、笑顔でひたすら聞き役に徹していた。

 

夫と別れ、私は一人脳神経内科の待ち合いに戻った。

1時間、2時間が過ぎてもまだ呼ばれない。

結局私の順番は最後だった。

 

持って来た本をもうすぐ読み終えるところで私の順番が回って来た。

新しい始まりにワクワクを隠しきれず、動かない右脚を引きずりながらも、跳ねるように脳神経内科の一番奥の診察室の扉を開ける。

 

ドアの向こうに座っていたのは眼鏡のK医師。

思っていたより若いな。

「長い時間お待たせしてしまい、すみません」

そう言って、私の診察を始めた。

 

入院先の総合病院から受け取った様々な検査の結果や画像を見ながら、1回目のワクチン接種の日の話しから始める。

「1回目、2回目は特に気になる症状はありませんでした。強いて言えば、2回目の時は左腕の注射痕が少し腫れて、その日と翌日は筋肉痛の様な痛みが出て、左腕が上がりにくかったです。」

 

今回も左腕に注射したが、麻痺が出たのは右腕。

 

K先生は「う~ん…」と声を漏らし、ジィっと画像と資料を見つめたまま、私の話しを先に進めていく。

聞き取りをしながら、これまでの先生達と同じ様に、私の体に現れている症状を診ていた。

30分~40分、いや50分くらいかかっただろうか…体に異変が起きた時からK先生に辿り着くまでの経緯を全て話した。

 

「入院先の病院で、一通り必要と思われる検査はやってらっしゃると思いますが、もう少し細かいところを調べさせていただいてもよろしいですか?」

「いくつか追加して調べたい事があります。」

「検査ばかりで大変だと思いますが、確認しておきたいところがあるのでよろしくお願いします。」

 

もちろんイイに決まっている。

必要な検査があれば全て受けるつもりだ。

時間がかかっても、お金がかかっても、この原因が解るのならば、この体が元通りになるのならば、いくらだって、なんだってする。

 

直感的に、K先生の事は信じられる気がした。

先生に全てを任せ、お願いしよう。

もう一度私に希望をくれたのだから。

 

 

この日は採血10本を終え、次回の予約を入れて病院を後にした。

 

またここから私の挑戦が始まる。

これまでの私を取り戻したいのだ。

この障害を「受け入れて暮らす」のではなく、まだ私は抗いたいのだ。