掴んだ蜘蛛の糸
re-habilis
re(再び・戻す)と、ラテン語のhabilis(適した・ふさわしい・できる)から成り立っている。
単なる機能回復ではなく、
「人間らしく生きる権利の回復」や「自分らしく生きること」が重要で、そのために行われる全ての活動がリハビリテーション(rehabilitation)
自分らしく生きるって…難しい…
自分らしいって何だろう…
こんにちは リ・ハビリスです。
主治医に引導を渡された、私の最後の望みは整形外科に託された。
何でもいい。何か手掛かりが見つからないか…
ワクチンとこの右脚に出ている麻痺を結びつけるもの…
それさえ見つかれば、きっとこの脚は治るはず。
私の体の中で、何がどうなっているのか…
2022年4月30日 ワクチン接種から28日目
入院7日目
●右脚股関節の痛み、麻痺による歩行障害
●右肩、右腕の違和感(痛重い、上がりにくい)
●左こめかみのピリピリとした痛み(昨日よりはだいぶ治まっている)
●引き続き下痢
今日も世間は連休中。病院も静かだ。
やる事は変わらないはずなのに、平日の朝と比べると、ゆっくり時間が過ぎているような気がする。
看護師さんに連れられて、病棟を出たところにある階段で、『上り下り』のチェックがあった。
久しぶりに階段を上がったが、こんなに大変だったかな…上がるのも下りるのも一苦労だ。
どんな体勢でも痛みが出る。
鬼の形相で5段上がり、ひょっとこみたいなアホ面で、こわごわ下りる。
「あ~、ちょっとこれじゃ厳しいね。家に階段あるよね!?この状態で家に帰れるかな…。いつ退院か聞いてる?」
階段・・・なかなか手強いな。
2022年5月1日 接種から29日目
入院8日目
カーテンの向こうの隣のベッドで何やらバタバタ始まった。
時計を見たらまだ5:30
灯りが点けられ目が覚めた。
続いて勢いよく、シャッと窓のカーテンが開けられた。
まだ6:00前だけどね。
学生時代の朝を思い出す。
母親におもいっきりカーテンを開けられた。それでも私は起きなかったけど。
お母さん…
こんな体になっちゃってゴメン…
何故かそんな思いがポッと浮かび、しばらく入院も、脚の事も伝えられなかった。
●右脚股関節の痛み、麻痺による歩行障害
●右肩、右腕に違和感(強い筋肉痛の様な痛みと突っ張り感)
昨日まで続いたこめかみのピリピリ感はほぼ治まった。
下痢も治まった。
2022年5月2日 接種から30日目
入院9日目
4:40 隣のバタバタで目が覚める
5:45 起床、健康観察
早っ。いくら仙人生活だからって、早過ぎないか!?
今日も三文の徳・・得・したな。
読書と自己流リハビリに精を出しながら、心待ちにしていた整形外科への受診。
「呼ばれましたよ~、行きましょうか!」
来たッ!!!
ここで逆転ホームラン!!
専門医に私の脚を診てもらおう。
絶対に何か解るはず。
垂らしてもらった蜘蛛の糸。
私は自分さえ助かれば…なんて思いません。
だからお釈迦様おねがい…この糸を切らないで!
5月2日の午後、私はその細い糸だけを頼りに、整形外科へと向かった。